拒否



「ウォーカー・・・?」


漆黒の瞳が、戸惑いを隠しきれずに

僕を見上げていた。

僕は彼の薄い肩に手を添え、ゆっくりとその体躯を押し倒した。

彼は成す術も無く、ベッドに沈み込む。

無言の儘肩口に顔を埋め、

綺麗な筋を見せている首筋に口付けると

彼の手が、僕のシャツを掴んできた。


「あの・・・ウォーカー・・・」


其れを無視して、彼の服の中に手を差し入れれば、

シャツを握る力は強くなる。


「ウォ・・・カ・・・・っ」


柔らかな肌に手を滑らせ、性感帯を刺激する。

彼はびくんと体を震わせ、僕の名前を呼ぶ。


「ウォーカー・・・っゃめて下さ・・・ぁ」


指先で胸の飾りに触れた瞬間、

彼の口元から甘い嬌声が漏れた。

と同時に、僕は強い力で押し返される。


「ウォーカー・・・止めて、下さい・・・・。」


涙目で弱々しく睨み付けられて、

僕は仕方なく踵を返す。


「・・・・ゴメン。」







後ろ手でドアを閉めた途端、

糸が切れた操り人形のように、その場に座り込んでしまった


「―・・・ゴメン、ジズ。」




fin.